2006年 08月 16日

穂高・槍ヶ岳縦走

穂高・槍ヶ岳縦走の内容を報告します。私の視点で書かせていただきました。
参加された皆さん、本当にお疲れ様でした。
長くて総合力を必要とする山行だったと思います。
参加してよかったと感じていただけているのでしたら幸いです。

11日(金)快晴 
c0085163_20455174.jpg5:45、夜行バスを中の湯で降りる。
少しだけ車道を歩き、通る者の少ない静かな登山道に入る。


c0085163_20471477.jpg3時間半で1000mを一息に登るルートだが、道も勾配も程よく、順調に高度を稼ぐ。


c0085163_20552714.jpg9:30、焼岳山頂着。活火山の焼岳は、山頂の至るところで噴煙が立ち昇っており、硫黄の匂いがする。


c0085163_20555373.jpgこの日は始終快晴で、西穂高から槍ヶ岳に至る今回の行程を山頂から一望できた。
焼岳のザレた下りは滑りやすく注意を要する。暑さから皆の水分消費が早い。
その後の焼岳小屋から西穂山荘まで続く樹林帯は面白みに欠け、ややうんざり。


14:50、予定通りのコースタイムで西穂山荘に到着。
居心地の良いウッドテラスでしばしの間憩う。c0085163_21442361.jpgc0085163_21443873.jpg

天気図を取ってみるとなんとも不安定そうな気圧配置。
携帯には「午後から雷雨」という情報も入り、停滞の可能性も考える。
夕食はペミカンカレーと海藻サラダ。久々のペミカンのはまずまずの出来だと思えたが米は半生・・・。
原因は炊飯時の風、それにコッヘルが5合炊きには小さかったのかも知れない。
高野さんは体調が夕食時から優れないとの事。
19:00、明日の事を気にしながら就寝。

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12日(土)晴れときどき曇り、12-14時雷雨
c0085163_2116588.jpg4:30、全員睡眠不足の為、30分寝過ごす。テントに当たる小雨の音で起床。
外を見渡すとガスが濃く、停滞か・・・?と思いながらもとりあえず準備。
幸い高野さんの体調(頭痛)は一晩明けて快復しており、食事を終える頃にはガスも晴れてきたので出発を決意。
出発間際にB班と連絡がつき、以後合流まで無線機で定時連絡を取る。


c0085163_21495180.jpg6:20、出発。西穂の独標までの登りはお花畑だが、それ以後のコースは西穂から奥穂まで
大小のピークが連続する北アルプス随一のテクニカルな縦走路に様相を変える。
特に下りはクライムダウンしなければ危険な箇所ばかりだ。
風化した岩稜を、浮石に注意し、足場と手掛かりを調べながら進む。
8:40、西穂高では合田さんの友人の遭難碑は残念ながら確認できなかった。
11:00、有名な天狗の頭の逆層のスラブは全員すんなりと通過。
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12:00、天狗のコルを過ぎた辺りから天候が悪化。
雨が降り始め、西の空では雷鳴が聞こえ始めた。
小雨の中、コブの頭への急登を続けるが、岩肌は次第に滑り易くなり、全く油断できない。
落雷は笠岳方面から次第に接近してきて、終いには数Km以内の後方に聞こえ始めた。
13:00、コブの頭の山頂付近で俄かに雨足が弱まり、雲間から青空が再び顔を出した時には全員、心から安堵した。
実際のところ一時間程度の雷雨だったが、実に長く感じられた。
後で聞けば、綾部さんのカーボンのストックは雷に共鳴して異音を発していたとの事。
今回の山行で最も危険を感じた時間帯だった。

c0085163_2254098.jpg13:10、コブの頭。ジャンダルムは濡れていて時間も押しているのでトラバースで通過した。
雨で濡れた岩肌は2,30分で乾燥して元通りになってくれたが、既に体力が消耗しており、ペースはやや落ち気味。

c0085163_21261828.jpg14:00、ロバの耳でB班の奥穂高登頂の連絡を受ける。
奥穂の頂きに目を凝らせば、確かに見覚えのある雨具が見えた。
15:10、馬の背の難所を越えて、合流を果たす。


15:45、穂高山荘着。天気図を取るが、今日よりましと言えるかどうか。
到着後、狭間さんの体調が優れない。診療所の診察では高山病との事。
私自身、3000m峰ではテントに入り体が止まると次第に頭痛がしてくる。
夕食はペミカンビーフシチューと海藻サラダ。
穂高山荘から携帯は繋がらなかった。
その夜テントは風を受けることもなく快眠できた。


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13日(日)晴れときどき曇り

c0085163_2282796.jpg5:30出発。狭間さんの高度障害は快復。長い一日の行動が始まる。
5:50、涸沢岳の下りから早速、鎖・ボルト・鉄梯子の難所が始まる。
岩肌にはまだ新しい血痕が点々としている。
昨日数々の洗礼を受けきたメンバーは危なげなく悪場をこなしていく。

涸沢岳から北穂高にかけて、岩が流れ落ちているかのような滝谷が見えてくる。
登りたいと思わずには居られない程美しいクラックだ。

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涸沢槍の登りで雷鳥の親子を見る。雷鳥の雛は本当にかわいい。
この日は雷鳥を4回見た。やはり天気は悪くなるのか。

c0085163_2231472.jpg9:30、北穂高山荘を過ぎ、いよいよ大キレットが始まる。
開始直後の下りから風化が進んだ岩場の下りで、悪い。
特に飛騨泣きの手前の長い下りのルンゼの鎖場は激しく風化しており、
浮石を踏んで降りるようなものだった。大きな落石をしないように注意した。

肝心の飛騨泣きそのものは、拍子抜けする程の短さと簡単さで、皆問題なく通過。
途中、ここで滑落した登山者を救助していた山岳救助隊の人たちとすれ違う。

大キレットは西穂とは通行量が段違いに多く、対向者の処理が大変だ。
難所の通過ではしばしば何分も待たされる。
大人数の我々に対して、露骨に嫌な顔をする連中もいたが、
彼らの不満に対処する損な役回りを最後尾の木村さんが一身に担って下さった。

c0085163_223014.jpg12:30、最低コルから南岳への登りは連続する鉄梯子とⅢ-級程度の登り。
しんどい登りを登りきると「難所終了」の看板があり、全員安堵。
ようやく今日の行程の2分の3が終わった。

c0085163_22192992.jpg13:45、南岳からはアルプスらしい快適な縦走路になる。
中岳にはオアシスのような雪渓もあり、晴れていれば文句なしに楽しいコースだ。
通過中は基本的に曇りだったが、時折ガスが晴れた時には、今日通ってきた行程が一望できた。

c0085163_22201963.jpg16:00、槍の肩の小屋に到着。誰しもが疲れきっていたが、最後の目標を目の当たりにすると、不思議とまた力が出てきて、登頂。
槍の下降中に雨が降り始める。最後の最後まで緊張を強いられた。

c0085163_2225484.jpg18:30、殺生ヒュッテにテントを張り、13時間の長い行動時間が終了。
夕食は進む君と海藻サラダ。

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14日(月)快晴
5:30、殺生小屋発。朝日を受けた槍ヶ岳が美しい。
今日は下山するだけとはいえ、連日の行動の疲労が全員の体に蓄積しており、
特に狭間さんには今日の長い下りはとても辛そうだったが頑張ってくれた。
22kmの距離を延々ひたすら下る。

c0085163_22262036.jpg途中、今回通過した穂高の峰々が頭上に望める。
今日は難所はないので各自が好きな順番で歩く。
河童橋で焼岳を望む集合写真を撮影。
上高地のホテルで風呂に入り、解散(14:00)。



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期間:2006年8月11日(金)~14日(月)
参加:【A班】柏、寺岡、狭間、木村、高野(武庫労山)、綾部(KAV)
   【B班】小野志保・友裕、福島
行程:
11日(金)快晴  
 23:00京都発-6:20中の湯発-10:00焼岳北峰-14:50西穂山荘着

12日(土)晴れときどき曇り、12-13時雷雨 
【A班】6:20山荘発-7:20独標-7:50ピラミッドピーク-8:40西穂高岳
 -赤石岳-10:15間ノ岳-11:15天狗の頭-12:00天狗のコル-13:10コブの頭-14:40ロバの耳
 -15:00馬の背-15:10奥穂高岳・合流-15:45穂高岳山荘着
【B班】上高地-岳沢ヒュッテ-前穂高-奥穂高-15:10合流

13日(日)晴れときどき曇り
 5:30穂高岳山荘発-5:45涸沢岳-8:35北穂高岳南峰-9:05北峰-10:25飛騨泣き-
 11:10A沢コル-長谷川ピーク-12:30最低コル-13:45南岳-15:00中岳-16:00大喰岳
 -16:30肩の小屋-16:55槍ヶ岳-18:30殺生小屋着

14日(月)快晴
 5:30殺生小屋発-8:00槍沢小屋-8:30二俣出合-9:00横尾-10:10徳沢
 -11:45河童橋-入浴-14:00上高地発-15:57松本-19:57新大阪着
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by 8bacchus | 2006-08-16 22:34 | 山行報告


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